プロレス史に残るKOと言えば、高田延彦のハイキックによる北尾光司のKOが有名です。高田のブック破りとも噂されますが衝撃的なKOであることは間違いありません。今回はその経緯・真相に迫る!
高田延彦vs北尾光司 実現への経緯
元横綱として相撲からプロレスに転向した北尾は数々の問題を起こし、新日本プロレスとSWSを立て続けに解雇されました。その後、北尾は空拳道なる空手団体所属の武道家に転身するも表舞台からは遠ざかっていました。
プロレス界復帰は絶望視されてい北尾ですが、高田延彦をトップとするUインターで復帰することが決定!当時、高田は“最強”を掲げるヒーローで、業界での嫌われ者の北尾は理想的な対戦相手でした。
北尾のUインター初戦は1992年5月8日横浜アリーナ大会。対戦相手は高田ではなく、UインターNo.2の山崎一夫が務めました。結果は北尾が圧倒的な体格差で山崎を圧倒!北尾のローキックで山崎は吹っ飛びKO勝利。
この試合後に再戦を要求する山崎に対して北尾サイドは断固拒否!さらにファンからの反感を買い高田戦へと繋がります。誰もが見たいカード、“最強のヒーロー”高田 vs “絶対的ヒール”北尾の実現です!
格闘技世界一決定戦 高田延彦vs北尾光司
1992年10月23日
UWFインターナショナル日本武道館
「格闘技世界一決定戦」と銘打たれ試合
高田延彦vs北尾光司が実現!
2日前の調印式でルール問題でもめていることが明らかとなり、北尾サイドからの強い要望で「3分5ラウンド」に落ち着きました。
【1R】高田はローキックや後ろ回し蹴りなど蹴り技で攻める!終盤左ハイキックを狙うもやや浅い!北尾が組みつこうとするも高田は距離を取ります。
【2R】北尾が強烈な膝蹴りから高さのある豪快な裏投げを高田に決める!しかし冷静な高田にすぐに反撃に転じられ腕ひしギ十字固めを狙われるがロープエスケープで回避!
【3R】高田の強烈な右ローキックが2連続で入り、明らかに嫌がる北尾。完全にローキックを警戒しローキックを捉えようと前のめりになる北尾。高田はチャンスを見逃さず…
北尾の顔面に右ハイキック一閃!
北尾の巨体は象が倒れるように豪快にダウン!
レフェリーの10カウントが数えられ、3R 0分46秒、右ハイキックからのノックアウトで高田のKO勝ち!
日本武道館は大「タカダ」コールで大爆発!高田は飛び跳ねて大喜び!ようやく起き上がった北尾と握手を交わし、高田は髙山善廣の肩車に乗って花道を引きあげました。
この見事なローキックからのハイキックは作戦通りのようで、特訓を積み重ねていたとのこと。
北尾をKOで仕留めたことで、高田の“最強”神話が加速しました!
試合後の高田延彦のコメント
怖かったんですけど…
勝ちました!
高田延彦 談
清々しいコメントです。
高田のブック破り?その経緯・真相!
この試合は高田のブック破り説など様々な憶測があり、その経緯の一つそして試合直前まで難航したルール問題が挙げられます。
当初「時間無制限1本勝負」だったルールを北尾サイドからの強い要望で「3分5ラウンド」に変更。時間無制限の完全決着戦と思われた試合の予想は一転し、時間切れ引き分けになるだろうという思惑が広がりました。
要はこのルール変更により「時間無制限1本勝負」で北尾が負けるのを拒否し、「3分5ラウンド」で時間切れ引き分けのブックがあったものの、高田がブック破りのハイキックでKOしたという説です。
またUインターフロント代表鈴木健氏が双葉社「俺たちのプロレスVol4」のインタビューで、高田vs北尾戦は両者の間で打撃はシュートでOKという話で決まっていたと語っています。
真相はわかりませんが、ブック破りかどうかは問題ではないほど、この試合は素晴らしい!
まとめ
高田延彦カッコイイ!
絶対的ヒールを確立した北尾もカッコイイ!